あいだの社会人日記

2021年4月より執筆開始。社会人の日常・勉強・読書記録についてポツポツと

実力も運のうち 能力主義は正義か?

こんにちは。あいだです。

今日は『実力も運のうち 能力主義は正義か?』という本を紹介します!

サンデル先生の本は面白いのでオススメです

 

本日の内容

  1. 本の紹介
  2. 感想
  3. おまけ:能力主義について

1,本の紹介

f:id:aida_10milp:20210424105504j:plain

マイケル・サンデル:著 鬼沢 忍:訳

早川書房 2021.4.20

・内容

「無一文から大金持ちになることは可能である」というアメリカンドリームへの信頼はアメリカ社会の根幹である。社会の近代化に伴い、学校教育の制度化・普及とともに社会に浸透してきたとされるメリトクラシーは、アリストクラシーよりもはるかに公正かつ効率的であると一般的には了解されているが、過去40年にわたるグローバル化市場経済を背景にその弊害を現出させている。第一に不平等が蔓延し社会流動性が停滞する状況下において、「やればできる」を推し進めることは連帯をむしばみ、グローバリゼーションに取り残された人々の自信を喪失させる。第二に、大学の学位こそ尊厳ある暮らしへの主要ルートであると強調することは学歴偏重の偏見を生み出す。第三に、社会的・政治的問題を最もうまく解決するのは高度な教育を受けた価値中立的な専門家であると主張することは、人々が何に怒っているのか見えていないテクノクラート的なうぬぼれである。能力主義・市場社会では、稼いだ金と「共通善」への貢献の価値を混同してしまいがちであるが、一方で能力を単に無視すればよいというわけではない。我々は機会の平等を越え、巨万の富や栄誉ある地位に無縁な人でも、まともで尊厳ある暮らしができるような広い意味での条件の平等を追求するべきだ。社会の中で成功した者が、自分の運命が偶然の産物であるという謙虚さを持つようになれば、能力の専制を超えて、怨嗟の少ない寛容な公共生活へと向かわせてくれるはずである。

2,感想

能力主義」を中心に据えて、大学の学位・学歴偏重の問題からトランプ・ブレグジットまでを射程にしており、本書で取り上げる内容は非常に幅広い。そのため考えることが多く、読了後にはいい意味で疲労感すらありました。

考えても少し難しいなと感じているのは、「頑張ったら報われるんだ」という意見に対する私個人の印象とアメリカ社会の認識がずれているからでしょうか。そこら辺については、人によっては、わたくしと同じようにもやもやとする方がいらっしゃるかもしれません。

とはいえ、「正義」について普段考えることはないですし、なによりサンデル先生の本は面白いので、オススメです!いつか、原著で読んでみたい!!

 

3,おまけ:能力主義について

本書において「能力主義」は、メリトクラシー(meritocracy)の訳語として用いられている。メリトクラシーとは、IQと努力により獲得される「メリット」に基づいて、人々の職業や経済的地位が決まる社会のことを言う。メリットは、価値・長所・功績とか訳されることが多い。

 社会人になって3週間余りたつが、やはり自分も「能力主義」にとらわれているなと思います。それは、違う仕事の方が個人的に向いていると思うだけではなく、①同じ大学を卒業したのに(ここでは同じ部活・サークル・ゼミとかそういう意味だが)給料が違うことに敗北感を抱いていることや②自分が関わるエッセンシャルワーカーの誇りと比べて、それが小さいように感じていることへの焦燥感をもったり・複雑な気持ちになったりすること、によるのかもしれません。

 

 もしかしたら、単純に配属が望み通りじゃなくて文句言いたいだけとか、会社って年功序列すごいなと学生との違いに慣れてないだけなのかもしれませんね(笑)

 

そこら辺について読者のみなさんはどのように感じておられますか。

コメントお待ちしております。

 

インスタでは読書記録をつけておりますので、もしよろしければご覧ください

@aida.br21.4

 それでは!